令和元年12月 

師走です。学校では教員が走っています。大学院生は静大の坂を精神的な焦りを伴いながら走っています。M1は初めて取り組む研究の「迷いの森」に突入している人が多く、M2は成果報告書の執筆に追われています。

12月もアクティブな授業が多く、そのうちの2つを紹介します。一つ目は、生徒指導支援領域の講義『子ども同士の人間関係を作るグループアプローチの開発』。 教授が高校で道徳の授業を行い、大学院生がファシリテーターとしてグループに入りました。「臓器移植・臓器提供」について高校生が活発に話し合う中、ファシリテーターがどう舵取りをするか。中立な立場を貫きながら、生徒たちの相互作用を促進することの面白さと難しさを考える機会となりました。

もう一つは、教育方法開発領域の講義『授業分析と校内研修の新たな展開』。グループ活動による建設的相互作用はどう生まれるか。与えられた難易度の高い課題(数学)を、院生が実際にグループで解いている時の発話を録音し、それを分析、そして発表。理解が深まる人と、理解が低いままの人の違いを、自分たちの会話から自分たちで発見できたことの学びは大きかったと思います。発見の例としては、解に結び付く過程を、自分の言葉で言い直せる人は理解が深まるが、「なるほどね」などの同調だけの人は理解が深まらなく分かったつもりで終わってしまう。解にたどり着かなくても、色々なパターンを考えたグループの理解度や定着は高い、等があります。この発見を学校現場でどう活用するか、院生の課題です。

【M1ストマスの声】

12月上旬に、生徒指導支援領域の実習があり、A中学校へ行かせてもらいました。A中学校に進学する4校の小学6年生が集まり、交流を深める会に参加するためです。児童たちはジェスチャークイズやダンスを通して、役割分担や表現方法などをグループで考えました。知らない児童同士がグループになるので初めは緊張していた様子でしたが、活動を通して表情が柔らかくなり、終わる頃には新しい友達ができて嬉しそうな姿が印象的でした。小中連携やファシリテーターの役割・方法を学ぶことができ、充実した実習でした。

「学級経営の実践と課題」の講座。小・中・高特でグループになり、課題と実践について発表しています。

2019日本教職大学院研究大会での成果発表

12月7・8日、本大会にて学校組織開発領域2年生8名が、ポスターセッションにて共同研究の成果を発表しました。まず、個人研究と並行して共同研究に取り組んでいることに関心が寄せられたほか、今年度から教職課程に必修化された「学校安全」に関する研究がタイムリーだと注目されました。作成したリーフレット「学校事故の未然防止に向けた、校内研修プログラムのデザイン」を基に、参観の皆様と活発なディスカッションを繰り広げ、院生にとって収穫の多い研究大会となりました。

また、武井敦史教授と町岳准教授は、実践研究成果発表において「教職大学院10年の歩みとこれから」を報告しました。

静岡大学教職大学院の節目の年に教員・院生ともに発表の機会を持ち、気持ちは明日を見据えています。都会のクリスマスイルミネーションを鑑賞する暇もなく、一橋講堂を後にしました。

令和元年 11月

後期に入り、M1は大学講義と実習で忙しい毎日を過ごしています。実習先では、自分の研究テーマに合わせて個々が違う活動をします。例えば、教育方法開発領域は単元開発を行い、実習校で実践させてもらって様々なデータを収集し、その分析をします。普段は経験や勘で進めていくことを、データによって視覚化したり、分析結果を理論と当てはめながら教職員大学院のコンセプトである「理論と実践の往還」を行います。

実習期間はそれぞれ違いますが、2~3週間ずっと実習校にいる人もいれば、週1で行く人もいます。そのため、M1が全員揃う日が急に少なくなった11月でした。そんな中、学校組織開発領域の現職M1が、海外のフォーラムで発表する機会がありました!そのグローバルな様子をお届けします。

【現職M1がESD国際フォーラムで発表!】

11月12日・13日、インドネシアのジャカルタにあるガジャ・マダ大学(Universitas Gadjah Mada: 通称UGM)で、ESD国際フォーラムがありました。現職M1が、所属小学校で実践したオリンピック・パラリンピック推進教育について発表しました。「練習してきた英語での発表で伝わるのか不安でしたが、UGMの学生が興味を持ってくれました。」質問もいくつか出たようで、発表は大成功だったようです。(その他の実践発表は、開発と観光を結び付けたものや、地震後の復興など様々。)

フォーラムの前後ではジャカルタの村を訪れたり、小中校一貫校での持続可能な農業の時間を見るなど、貴重な体験がたくさんあったそうです。1週間のジャカルタ滞在を経て、次のような感想を伝えてくれました。

「グローバル社会において、やはり言語力=英語力の必要性を痛感しました。また、他国の教育の現状や考え方を知ったり、教育現場を実際に視察したりしたことで、これまでよりも視野が広がったと感じます。日本は今後ますます多文化共生の社会になっていくので、他国の文化を持った人の多様性に対応できるように私自身がなりたいのと思うのと同時に、関わる子どもにも同じような力を育んでいくようにしたい。そのためには、他国の文化等を肯定的に受け止め、理解しようとしていくことがやはり大切なのだと感じます。」